Honami36のブログ

パニック障害2児の母。今までの経験から少しずつ体の不調についてや子育てについて書いています

パニック障害のメカニズム 扁桃体の働きとの関係

 前回、パニック障害の人は二酸化炭素の減少に過剰に反応してしまうことがパニック発作のメカニズムの一つであることを書きました。次回は『偏桃体』についてまとめてみたいと思いますと書いたものの、調べれば調べるほど扁桃体って脳の中のほんのアーモンドくらいな小さな部分なのにいろんな働きをしていて、奥が深い!そして、その回路も複雑でした。今回はその一部分を、わたしの症状にあてはめながらまとめたものをご紹介します。

 

 近年パニック障害は脳内の神経伝達物質系が関係する脳機能異常が主な原因とする説がでてきました。その中でもパニック障害の人は『偏桃体』がすぐに活発化しやすいということがわかってきました。

 偏桃体は感情を司るのですが、その中でも特に『不安・恐怖などネガティブ』な感情で活動します。そのため、パニック障害の人は「混雑」「倒れてしまうのではないか」など発作と関連する言葉を聞くだけでも偏桃体が反応しこれが、発作を繰り返す原因となっているようです。わたしがパニック障害になってから、発作までいかなくても、何でもない言葉になぜか敏感に反応したり、救急車の音を聞くだけで不安になったりするのはこのためだったようです。

 偏桃体は強い不安や恐怖を感じるとストレスホルモンを大量に分泌します。

 又、その扁桃体から青班核というところに指令がいくことでノルアドレナリンが分泌され動悸や発汗といった発作へと導きます。

  さらに、その偏桃体の横に記憶を司る『海馬』という場所があります。

   わたしの場合(運転中にパニック障害を発症)で表すと次のようになります。

 車に乗る→車の運転中に発作がおきたから危険!→海馬がこの記憶を偏桃体に伝える→「これは危険だ!またあの時みたいになったら…不安だ」→青班核からノルアドレナリンが出て発作が起きる

 

というわけなのです。

 そしてもう一つ前頭前皮質といったところが存在します。ここは何かを作りあげたり、コミュニケーションをとるといった複雑な働きを担っています。そして不適切な反応を抑える働きをしています。パニック障害の人はこの不適切な反応を抑える役割がうまく働いていないことが問題になります。

 

 二酸化炭素が増加した時、偏桃体からアラームが鳴ります。本来なら生命の危険もなく行き過ぎた警報で不必要な反応として抑えられるはずが、抑えられず発作へと移行していきます。

 車に乗る→(海馬)以前車の運転中に発作が起きた→(偏桃体)危険だ!→(前頭全皮質)それはいけない!危険だ!→危険という行き過ぎた警報を信じて車に乗ることを回避してしまう

 こうした脳の働きによって予期不安が強くなり、車を運転できない状態になってしまったのだと思われます。

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図引用:https://aoba-himawari.com/panic-shogai/

 この偏桃体を中心とした『恐怖神経回路』は主にセロトニン=不安を抑え、平常心を保つによて制御されています。だから、治療にはセロトニンに関係した薬を使用することが多いのはこのためなのですね。

 

 そしてもう一つ…偏桃体の脳波と呼吸が一致しているというのです。不安な時脳波と呼吸は速くなります。逆に安心すると脳波と呼吸が和らぐと言われています。よく吸う:吐くを1:2でおこなう完全呼吸がすすめられるのはこのためなのですね。プラスでこれを眠る前に行い、楽しかったことや嬉しかったことを思い描いてから眠ると心地よく眠れるようです。


 私がパニック障害を発症してから現在まで、車の運転がなかなかできないのは、こういった脳の機能異常が関係していることが理解できました。


参考文献:パニック障害は甘えではない!脳科学的なメカニズムについて|心療内科|ひだまりこころクリニック,精神科,メンタルクリニック (hidamarikokoro.jp)